のれんで表現できること

のれんに使用される化学染料は色落ちしないのが魅力

Noren-Order京都のれんに代表されるような色鮮やかな色彩は、化学染料によるものです。
素材にしっかりと染み込み選択をしても色落ちしないことから、様々な場面で使用され
何度洗濯しても色褪せないことが魅力となっていますが、これは偶然の産物と言われています。

それまで自然の草木などから得た溶剤を布を染めるために使用することが多かったのですが、
これらは自然の素材であるため色落ちし、何度も洗濯をすると色あせてしまうものでした。

色落ちした生地

のれんのような屋外に掲出し人目を引くために利用されるものでは、色あせてしまうと
店舗のイメージの悪化にも直結するため、あまり好まれるものではありません。

化学染料はこのそれまでの自然の染料の欠点を補い、さらに色鮮やかな仕上がりをすることができるため、
人目を引くためには非常に良いものとなっていたのが実態です。

ただしこれはこれらの目的をあらかじめ意図して開発されたものではなく、異なる目的に行われた
実験によって生まれた偶然の産物であるため、非常に興味深いものとなっているのがポイントです。

現在では、様々な場面で使用されているものですが、その生い立ちには意外なものがあったものとなっています。

本来は薬の製造で生まれた化学染料

化学染料は本来は染料を作ることが目的ではなく、当時流行していたマラリアの特効薬の
製造過程で生まれた、偶然の産物です。

マラリアの研究を進めていたイギリスの科学者W・H・パーキンがその特効薬を合成するために
アニリンと重クロム酸カリウムを加えて実験を行っていたところ、下に沈殿する黒く濁ったものを見つけ、
これを捨てる前に何かに使うことができないかと思い立ったのがその始まりです。

綿の布をこの液体に浸したところ鮮やかな紫色に染まったことから、染料に使うことができるのではないかと考えました。

綿の布を染める

なぜこのような実験をW・H・パーキンが当時行ったのかは定かではありませんが、
その色鮮やかさから様々なものを染めるのに使えるのではないかと考え、
後に会社まで設立するようなものとなっています。

この時生まれた染料による布地はアニリン染めと呼ばれるようになり、日本でも京都の恋を始めとする
様々な色鮮やかな紫色ののれんを作るのに使用されるようになりました。

現在の京都のれんはこのときのW・H・パーキンの実験がなければ現在のものとはならなかったものとなっており、
様々な偶然が重なって色鮮やかなものになっているというのが実態です。

他にも京都のれんにはインクジェット技術を使った様々な印刷方法がありますので、
デザインに合わせた方法でのれんを作ってみましょう。